WinningTicket’s blog

娘の高校受験(2025年)に向けた記録です

調査「英語教育実施状況調査」の問題点?!~雑誌「英語教育」から~

今回は、雑誌「英語教育」に掲載されていた記事、『その「調査結果」は本当に「エビデンス」ですか?』について記載します。

 

文部科学省が毎年、中高生の英語レベルを中心とした調査「英語教育実施状況調査」を実施しています。

令和4年度「英語教育実施状況調査」の結果について:文部科学省

 

結果が発表されるたびに、福井県さいたま市の英語力の高さや、中高生の英語力が目標値に届いていない。。。といったニュースが出ます。

 

このブログでも何回か取り上げたことのある調査になります。

 

英語の雑誌「英語教育」の7月号に、英語教育実施状況調査について書かれた記事が掲載されていました。

 

英語教育2023年7月号 - 株式会社大修館書店

 

この雑誌は英語の先生のための雑誌だと思われます。

 

記事の内容を抜粋しながら、私の意見を記載していきたいと思います。

 

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私も中学校教諭時代、毎年12月になると英語科主任としてこの調査の回答入力業務に追われていました。学校教員としてこの調査に回答をしている先生方はもちろんご存知だと思いますが、この調査の回答の基準は曖昧なところがあります。
「授業における英語の使用状況」や「ICT機器の活用状況」などは、細かい定義や基準があるわけではないので、それぞれの担当教員の主観的な判断で回答する部分があります。毎年一番話題になる「英検3級相当以上の英語力を有すると思われる生徒の割合」だって、「英検3級」という具体的な基準があるものの、実際には「受験していないけど、受ければ受かる見込みのある生徒」の割合をそれぞれの教師の判断で回答しています。

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この調査は、例えば中3生だと下記を回答するようです。

 CEFR A1レベル相当以上を取得している生徒の割合 ・・・①

 CEFR A1レベル相当以上の英語力を有すると思われる生徒の割合 ・・・②

 

①は事実なものの、②は曖昧ではないか?という意見です。

確かに、先生がどの様に判断するのか。。。は人ぞれぞれだと思うので、曖昧なのは曖昧なのかなと私も思います。

 

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このような主観的な回答結果を,教育政策を決定するためのエビデンスとして使用することの危うさについては、寺沢拓敬氏(関西学院大学)がYahoo!ニュース記事などで何年も前から指摘しています。私も学生がレポート等でこの調査結果を引用してきた際は、他のデータを探すように指導しています。しかし冒頭に述べたように,新聞など各メディアは,今年もこの調査結果を留保なしに大々的に報じているのが現状です。

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本来であれば文部科学省が調査しているので、かなり信頼がおけるもの。。。のはずですが。。。この記事を書いた方(奥住桂 埼玉学園大学准教授)以外は違和感なく使用されているものと思います。

 

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そもそも、英検のような「熱達度テスト」は本来、学習者が自分の現時点での能力を把握して、今後の学習等に活かすために利用するものです。
それが独り歩きして、本来の目的以外に使用されているのは大きな問題です。学校の英語教員が、いち熟達度テストである英検の合格率を上げるために授業をするようになってしまったら本末転倒ですし、そのような過度な「対策」が横行すれば熟達度テストとしての信頼性を損なわれかねないわけだから、本来、英検側から何かしら申し立てられるべき事態だと思います。

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英検側は何も言わないと思いますが、率が極めて高い福井県はGTECを学校単位に推進していることもあり、高い数値を生み出していますね。

https://www.mext.go.jp/content/20210602-mxt_kyoiku02-000015671_18.pdf

 

私自身、GTECをほとんど理解していないのですが、人によってはGTECで英検3級相当を取得しても、実は英検3級に達していないと言っていますが、果たしてどうなんでしょう。。。個人的にはそんなに違いはないのかな。。。と思っていますが。

 

 

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もう1つの課題は、検定試験が「選抜テストとして活用されることへの懸念です。例えば埼玉県の県立高校の中には、「英検準2級」以上を取得した受験生に対し入学者選抜において加点するとしている高校がありますが、よく考えたら準2級の学習内容は学習指導要領の範囲外のものを多く含みます。学習者が個人として先取りしてすることはもちろん自由ですが、公立高校則が選抜の手段として加点する最低ラインが「学習指導
要領を逸脱したもの」に設定されていることに公平性の観点から問題はないのでしょうか。

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ここは。。。正直なんとも言えないところですね。。。まーもし「英検準2級」以上を「英検3級」以上にして、3級、準2級、2級で加点する点数を変えるのであれば問題ないのかもしれないですね。。。

 

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テストにはそれぞれの目的があります。教師や学校、行政機関が本来の目的に合わせてテストを使い分けていくようにならないと、受験するたちにとって害が生まれてしまいます。同時に世間のほうもテストや調査の結果を正しく解して報道する(報道を受け取る)ようにならないとまずいと思います。そのためには、学校教員、研究者、テスト開発者がそれぞれ専門家としての意見を積極的に「世間」に伝えていくことが今まで以上に必要だと感じています。

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これはなかなか難しいところです。先にも記載しましたが、文部科学省が調査している以上、使ってしまいますよね。もし問題があるのであれば調査方法といった根本から修正していかないと。。。意味がないものになってしまいます。

 

 

今回の件で、調査「英語教育実施状況調査」について正しく見ていければと思っています。