今回は、入学方法(一般・指定校・内部進学 等)について考えたことについて記載します。
6/30に早稲田大学の調査結果から入学方法についての特長についてブログを書きました。
上記で取り上げた調査の中に、一般入試について「今回用いた項目のなかで、他の入試区分と比較してポジティブな特徴は得られなかった。」と記載されています。
これは学力に関してもポジティブな特徴はなかったということです。
今回は、入学方法の学力について書きたいと思いますが、かなり私見も入るので、参考程度で。。。お願いします。
3年前の記事ですが「AO入学者の成績評価が高い」というものがありました。
※記事抜粋 開始
AO入試(総合型選抜)で入った学生のGPAは、全般的に結構高いです。受験する学部を第一志望にしていて、入学後の目的がはっきりしているためでしょう。指定校推薦(学校推薦型選抜)は地方出身者の割合が多く、GPAも平均値よりやや高いです。
附属・系属校は学部によって違います。附属・系属校が非常に高い学部と、そうではない学部があります。学校によっても違います。
早稲田大学は多様性を重視する大学なので、必ずしもGPAという数値のみで学生の良しあしを判断していませんが、客観的な評価の一つにはなります。
一般入試(一般選抜)はAO入試などに比べて人数が多いこともありますが、どの学部でもGPAで並べると平均的です。真ん中というか、極めて標準的です。
一般入試はボリュームが大きいので、いい学生も、伸びしろがいま一つの学生もいますが、悪くはありません。一般入試に問題があれば大ナタを振るわなければいけませんが、大学全体や学部として一般入試を問題視しているという声を聞いたことはありません。
※記事抜粋 終了
太字は私がつけました。
注意点は、上記記事は2022年のものですが、内容は2015年の「文部科学省の中央教育審議会の高大接続システム改革会議」で発表されたものです。
別の記事に記載されていましたが、2015年と比較して、2022年は以下の傾向があるようです。
※記事抜粋 開始
「GPAが高く、評判がいいところが増えています。入試は各学部が中心となって決めていて、GPAをはじめ、様々な視点で検討しています。GPAが高いAOや指定校推薦、それに附属・系属校が増えた結果、相対的に一般入試が減っています。どの枠を減らそうというのではなく、こっちがいいから増やそうとした結果です」
※記事抜粋 終了
上記が事実だとすると、入学方法別の人数を調べると傾向が分かるかもしれません。(いつか調査してみるかもしれません。)
。。。上記記事から検索かけた時に、入学方法別のGPAスコアの資料を見つけた。。。気がしたのですが、改めて検索したところ見つけることができませんでした。。。見つけた?!際に取っておかないといけないですね。。。
大学の成績が、入学方法による違いについてはは度々話題になります。よくあるのは、大学受験に向けて一番勉強した「一般受験組のレベルが高い」という意見です。
一方で色々な調査結果を見ると、そこまで入学方法による差はないという結果になっています。
例えば、以下の簡易調査でもGPAはそこまで差がないことが分かります。少なくとも一般受験組が高くないことが分かります。
早稲田大学を例に出していますが、一般的にレベルの高い大学の傾向で、そうでない大学の場合は、指定校推薦の生徒はそこそこで、総合選抜型の生徒の成績はそこまでよくないようです。ということで、今回は一般的にレベルの高い大学の話しとなります。
入学方法によってそこまで成績の差はないということは事実として、以下も比較的事実として言えそうです。
大学入学時に一番近くに行われる大学入試の観点で言えば、一般入試組以外の人で一般入試に受かる生徒はほとんどいない。
高い評定を取得した指定校推薦の生徒、才能ある内部推薦の生徒、一般入試向けの勉強をしていない総合選抜型の生徒は、一般入試で合格を獲得するのは難しいでしょう。
これは異論ないかなと思います。賢さの違いというより種目の違いでしょうか。何事も準備をしなければ難しいということです。
これは一般受験の世界でも、過去問等で対策をしないと自分では受かると思っていた大学にも受からなかったということはよく起きています。
入学時点では、一般入試組の、入試科目の学力は一番高いのはほぼ間違いないだろうと(勝手に)思っています。
では、なぜ入学後にGPAの成績で差がなくなるのか。。。理由としては、
①GPAで見ている成績は入試科目だけではない。
②大学の勉強は学力以外にも求められる要素がある。
③一般入試で燃え尽きて?!しまう生徒もいる。
というところが挙げられるでしょうか。
①GPAで見ている成績は入試科目だけではない。
入試は色々な形態がありますが入試は限られた科目での勝負になるので、入試に使用しない科目も高校時代にしっかり勉強したのかは不透明です。
一方で、指定校推薦組はどの科目もしっかり勉強していることは明らかで、総合的なバランスは良さそうです。特に早稲田の指定校推薦を取るためには評定でほぼ5を取る必要があります。
内部進学組も学部によって異なるかもしれませんが、志望する学部へ進学するためには、指定校推薦と同様に高い評定を求められそうです。かつ、元々才能の高い生徒の集まりですしね。上の記事の「附属・系属校は学部によって違います。附属・系属校が非常に高い学部と、そうではない学部があります。学校によっても違います。」に表れていそうです。
総合選抜型はよく分かっていないですが、前の取り上げた下記を見ると、人数が少ないですね。2015年時点でも国際教養学部の総合選抜型の生徒のGPAが良かったようですが、今もそれが継続されているようです。
②大学の勉強は学力以外にも求められる要素がある。
大学も学力がベースになると思いますが、より専門的になり、表現力・プレゼンといったスキルも必要になります。一般入試は決められた時間でいかに高得点取る戦いですが、大学ではそれに加えて、表現力・プレゼンといったスキルが必要で、これは総合選抜型の生徒や内部進学組の生徒が得意分野となりそうです。(合ってますかね。)
③一般入試で燃え尽きて?!しまう生徒もいる。
個人的にはこれが大きいのではないか。。。と考えています。高校受験でも早慶附属に向けてかなり熱心に勉強し、高校に入った後にほとんど?!勉強しなくなる生徒はブログでもその他でもよく観察されるところです。
早稲田レベルの大学に入る生徒のほとんどは、かなり勉強量が多いはずで入試で「やり切った」となっていそうに感じます。
これは後輩の話しからも聞いていて、高校時代はこれでもかというぐらい勉強したものの、大学入学後は勉強しなくなってしまったということでした。
これは受験に限らず色々なところで観察されることで、調子良い時は勢いも良いものの、勢いを失った際の反動は大きくなります。
その点で言うと、指定校推薦や内部進学組は、勉強は安定して取り組んでいると思いますので、その反動は少ないと思われます。
つまり、勉強はいかに継続できるかが重要という当たり前のことが大事ということでしょう。
。。。とこれ以外の様々な要素が絡み合って、結果的に入学方法(一般・指定校・内部進学 等)によってGPAはそこまで変わらないということだろうと思います。
今日の記事で良いものがありました。
※記事抜粋 開始
日本の教育は、大学に合格することが目標になったり、子育てのゴールと考えられたりしていることが問題点として指摘されている。
柳沢氏によると、入学したての東大生は「燃えている学生」「燃え尽きた学生」「冷めた学生」に3分類される。「燃えている学生」は数年に一度、東大に入るような学校から来た学生。「燃え尽きた学生」は受験の点数を取れる方法論を教わってきた学生。ただ、目標が「東大入学」だから、入学後、燃え尽きてしまう。
一方で、柳沢氏が約40年前にハーバード大で教鞭(きょうべん)をとった際に驚いたのは学生たちがよく発言することだった。しかも自信に満ちた表情だった。それが日本の大学の授業と異なっていた。
※記事抜粋 終了
それにしても一般入試の問題レベルはかなり高くなっているのは事実ですよね。共通テストにしても、センター試験から変わって難易度も上がっているのは間違いありません。
問題の難易度が上がると必要となる受験に向けた準備が大変になり、益々勉強量が多くなり、入試で力尽きてしまう生徒が多くなりそうです。。。
本来であれば問題の難易度が上がれば、入学後も一般入試組がレベルが高くなるはずです。今の難易度で、成績が他の指定校や内部進学と釣り合っているとしたらなかなかシンドイなと思いました。
ひょっとすると、問題レベルはそこそこの方が大学入学後を考えると良いのかもしれませんが、ではどうすれば良いのかということは極めて難しいんでしょうね。大学が1つではありませんから。
アメリカとかどういう仕組みになっているのだろうか。。。