WinningTicket’s blog

娘の高校受験(2025年)に向けた記録です

保護者には伝わっていない小学校英語

今回は、保護者には伝わっていない小学校英語について記載します。

 

雑誌「英語教育」の7月号に『小学校英語に対する保護者の意識 -保護者にどう働きかけるか』という記事が掲載されていました。

英語教育2024年7月号 - 株式会社大修館書店

 

※以下、『』は雑誌からの抜粋です。

 

その中で、小学生の保護者向けの講演会で、『小学校の先生から「教科書を先取り学習している児童がいて、授業がやりにくい」と聞くことが何回かあったため、小学校英語では教科書を先取り学習する必要はない」と語ったところ、質疑応答になったとたんに反論の嵐が巻き起こった。』ということが記載されていました。

 

今の小学校で学ぶ英語は、「音声中心」で、中学や高校で学ぶ英語とは決定的に異なるようです。

 

私もそうですが、それを理解していない保護者が上に記載した通り、『質疑応答になったとたんに反論の嵐が巻き起こった。』というのはしょうがないのかなと思いました。

 

この記事の著者(京都外国語大学教授 山本玲子氏)が、反論した保護者に説明した内容が記載されているので取り上げたいと思います。『小学校の先生方にはぜひ参考にしていただきたい。』と記載されています。

 

『1.「受験学力をつけること」「良い成績を取ること」「検定試験をクリアすること」だけが最終目標(使える英語力は不要)であるなら、親がどんなサポートをしてもかまわない。

2.ただし。1の目標を達成するには、中学校からの開始で十分(英語のプロと呼ばれる人も、多くはそうしてきた)。

3.小学校では、中学・高校だけでは実現できなかったことをしなければ意味がない。それは、音の感覚や柔軟性に優れる小学生のうちに、英語の音や感覚を身体感覚の中に染みこませ,相手と理解し合う心を育てることである。

4.英語特有の音に慣れ、文字と音の関係や、場面と一致させた表現を体得する体験を積んでおけば、中学以降の英語の学びを支える一生の宝物になる。

5.3や4の成果は子どもの心や身体感覚に残るので、すぐには目に見えないこともある。検定試験などのすぐに出る結果とは真逆のところにある。

6.小学校の先生は、英語のプロではない方もおられるが、子どもの心身を育てる教育のプロ。信頼して任せてほしい。』

 

どうでしょうか。。。所感としては、これをはっきり言える先生は。。。少ないのではないか。。。と思いました。

 

一つひとつ見ていくと、

 

『1.「受験学力をつけること」「良い成績を取ること」「検定試験をクリアすること」だけが最終目標(使える英語力は不要)であるなら、親がどんなサポートをしてもかまわない。』

→ この設定が腑に落ちませんでした。親がサポートしたとして、誰も「使える英語力は不要」とは思っていないですね。結果的にそうなってしまっている可能性はありますが。

 

『2.ただし。1の目標を達成するには、中学校からの開始で十分(英語のプロと呼ばれる人も、多くはそうしてきた)。』

→ これも少しズレている気がしました。英語のプロは、中学生時代から英語が得意だった可能性が高く、もともと適性があったと考えるのが普通ですね。今の英語は当時より難しくなっていて、小中の連携が問題になっていることを考えると安易にこのことは言えないのかなと思いました。

 

『3.小学校では、中学・高校だけでは実現できなかったことをしなければ意味がない。それは、音の感覚や柔軟性に優れる小学生のうちに、英語の音や感覚を身体感覚の中に染みこませ,相手と理解し合う心を育てることである。』

→ これは理解できますね。あまり目標・目標とは言ってはいけないのかもしれませんが、小学生終了時点で何が出来ていたら正解なのかが。。。はっきりしないですね。

 

調べてみるとありました。

https://www.mext.go.jp/content/1407196_26_1.pdf

 

 

音声が中心なものの、最終的には、音声で慣れ親しんだこれぐらいの文章を書き写すことができるようになることが目標のようです。随分高い目標ですが達成できているのか。。。心配になりますね。

 

『4.英語特有の音に慣れ、文字と音の関係や、場面と一致させた表現を体得する体験を積んでおけば、中学以降の英語の学びを支える一生の宝物になる。』

→ 確かに上記レベルの文章に音声的にも書き的にも習得できていれば。。。中学校以降にも活きそうです。。。が、今の小学生がどのレベルまで到達でいているのか。。。を調べる必要がありそうです。感覚ですが、この域まで到達するのはなかなかハードルが高そうに思います。

 

『5.3や4の成果は子どもの心や身体感覚に残るので、すぐには目に見えないこともある。検定試験などのすぐに出る結果とは真逆のところにある。』

→ これは言わんとすることは分かります。

 

6.小学校の先生は、英語のプロではない方もおられるが、子どもの心身を育てる教育のプロ。信頼して任せてほしい。

→ これは省略しますが、ここまで言えれば素晴らしいですね。

 

これを見て、小学生の英語が何を学んでいて、普通の生徒はどこまで到達しているのかが分からないとこれ以上、言えないなとも思いました。

 

。。。今度調べてみようかと思います。。。

 

この記事の最後に、以下の記載があります。

 

『そこで例の6項目を頭の中で整理しつつ順序立てて再度説明したところ,教育熱心だからこそ理解力も高いその保護者はたちどころに納得され、力が抜けたような様子でこう言われた。「私がしてきたサポートは、逆に子どもが心身で英語に親しむ大切な機会を奪っていたのですね。カタカナ発音が身について、もう取れないかもしれない。先生,もう遅いんでしょうか。どうしたらいいんでしょうか。」遅いなどということは決してないので,小学生の柔軟性・可塑性を言じましょう,と言うと安心されたようだった。講演聴講者のアンケート結果には「焦りやもやもやが一気に晴れた。これからは子どもと一緒に気楽に英語を楽しんでいきたい」という記述もあった。先生も保護者も、子どものためを思っているのは同じである。だからこそ最後はきっとわかり合える。』

 

本当に保護者の方が納得したのか。。。疑問に残りますが。。。